ひょうたん2号のブログ

鉄道模型に関して自己の体験談などを述べていきます。

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モーター変更(TOMIX JR西日本223系電車)

 前回の記事「天賞堂コアレスパワートラックの近況」にて理由なく簡単に(「しれっと」)述べたので今回は理由を述べます。二つの理由があり、一つ目は実体験による部分が大きかったことです。JR西日本の223系電車は新快速で一時期よく利用していました。その当時の時速130kmの特別料金不要列車はインパクトのあるものでした。221系電車の時速120kmも筆者には迫力を感じましたがそれとはまた違う迫力でした。(だからといってレイアウトにてただ高速走行ありきではないので、念のため。)
 
 ところがプラスチック製の車両ですから軽量であるにもかかわらず、モーター車単独で走らせた段階からゆっくりでしたので電車よりも機関車の走行に近くて違和感がありました。これが二つ目の理由です。(もっともスローでの走行は滑らかで良いのですが8Vの電圧でも遅く感じたのです。)意図的にモーター車にウェイトを増やして速く走るわけでもありません。(ウェイトの重量・配置も変えてみたものの結果は同じ。)キヤノンモーターEN22と電車・気動車用MPギアとの組み合わせの金属製車体の方が筆者のレイアウトをより速く走るため、物足りなく感じていたのでしょう。
 
 そこでモーター車であるモハ223の車体を分解の上グリースを除去して機械用オイルをギアおよびウォームに注してみましたが、走り具合は同じでした。モーターは両軸のキヤノンモーターCN16が搭載されていました。手持ちの資料(株式会社エンドウ「MPギアの使いかた2 マニュアル&カタログ」)ではCN16には高速用と一般用があり、いずれも「定格負荷:20gcm、起動トルク:120gcm(高速用)および80gcm(一般用)」となっていて一般用EN22の場合(定格負荷:35gcm、起動トルク:150gcm)よりも小さいです。
 
 そのためこの車両にコアレスパワートラックを搭載することに決めたのです。(したがってフライホイール・シャフト・ギアも撤去です。)ただし4両編成の場合重量は640gほどのため1台だけ搭載して(かつ適切と思われる重量のウェイトをコアレスパワートラックの上にくるように床板に搭載して)単車および4両編成にて走行させることとしました。この時点で床下部を加工する必要が生じます。(位置づけとしては試験的なものですが後戻りはできません。)曲線通過時におけるギアケースとの干渉を避けるため、床下の一部を削った上でボルスター受けを取り付けてコアレスパワートラック(26P)を取り付けました。(もう一方の台車についているギアの一部も撤去しました。)その結果は以前に述べたように8Vの電圧で一周4.9075mのコースを単車で10.5秒、4両編成時で11.5秒にて走行しました。EN22+電車・気動車用MPの場合に近い走行でラピッドスタートもありません。前回紹介したKATO近鉄21000系での結果があるだけに筆者の予想以上の結果でした。モーター車以外の転がり具合もそれだけ良いのでしょう。(もっとも静粛性ではCN-16モーター使用時よりも劣りますが。)

 

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 また(動画ではありませんが)上の画像のように半径360mmの曲線も問題なく通過できるようになりました。ただしこの製品の波打ち車輪の部分は車軸の径が筆者手持ちのデジタルノギスにて測定すると1.48mmであり、コアレスパワートラックに備え付けの車軸の径(車輪部:1.38mm、ギア付近:1.57mm)と異なるため、単純な置き換えはできないようです。(±0.01mmの誤差はご容赦下さい。)そのためコアレスパワートラックの部分の車輪は今のところ波打ち車輪ではありません。車輪だけ取り換えができるといいのですが、波打ち車輪もコアレスパワートラックも破損したくありませんので当面このままで過ごすことになります。
 
 なお余剰の波打ち車輪は予備として確保しています。「コアレスパワートラックの車軸のギア付近部分を0.1mm削る」ための適切な工具を使うことによって車輪の取り換えができるものと筆者はまず考えてしまいます。ところが現在の筆者の力量では一筋縄ではいかないようです。他のコアレスパワートラック搭載車両が今のところ滑らかに走行していることもあって「破損したくない」という思いがどうしても先に来てしまいます。
 
 今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

天賞堂コアレスパワートラックの近況

 昨年(2020年)3月に天賞堂のコアレスパワートラックを述べてから1年が経過したこともありここで近況報告を行います。よろしければ最後までお読みくださいませ。

 2021年3月5日現在6台が稼働しており、1台が31P(車輪径11.5mm・プレート車輪)である他は26P(車輪径10.5mm・プレート車輪)です。31Pは金属製車体3両編成もの(詳細は伏せます)に搭載しており、26Pのうち1台が耐久性・性能実験を行っており残りは年に数回程度の走行です。また説明書によるとコアレスパワートラックの最大電圧は12Vのため、筆者の場合破損を防ぐことと10Vでは速すぎる走行のために電圧は最大8Vとしています。(また単車での走行に問題がなくてもモーターのない車両を連結した状態での速度低下を抑えるなどの理由で必要に応じてウェイトを搭載しています。)

 特に26Pは複数個購入したこともあり購入時の状態のままでウェイトを搭載することなくパワートラック単独にて走行させた時の性能点検は結果的に役に立ちました。(そのため31Pを購入するに至りました。)2、3個では分かりにくいのですが、筆者の場合複数個にて速度差(個体差?)が発生しますので、その対応をメーカーに問い合わせる前にできる限りのことを筆者は行いました。(もっともこの時点で自己責任となってしまいますが。)直線部2.16mを含む一周4.9075mのコースを最短で10.5秒、最長で13.5秒それぞれかかりましたので、13.5秒かかった場合について原因を調べることにしました。(速く走っている場合についてここでは保留しています。)なおこのときの電圧は8V、走行時間は5分と設定しました。また筆者所有のコアレスパワートラック全てに発熱はありませんでした。

 モーターと集電板および接続コードをギアケースから取り出して集電板に電圧をかけると0.5Vにてすでにウォームが回転していることからモーターは作動しており、10Vまで電圧を加えても筆者の耳には「ブーン」という静かな音がしました。(ここでも10Vを越えて最大電圧とされる12Vまでは加えていません。なお動画はありませんので読者の皆様でこの状況をイメージできれば幸いに存じます。)したがってあくまで筆者の場合これらには問題なさそうです。また現在のところ前進時と後進時とで先ほどのコースにて0.5秒以上の所要時分差が生じることはありませんでした。

 ラピッドスタートが発生すれば、ウォームとギアの接触がきつい恐れがあるためモーターをギアケースの少し奥に入るように位置決めをして、ウォームとギアの接触がきつくならないように設定しました。またグリース(Made in China のため中華油?)の漏れが確認できればその時点にてグリースを除去しました、なぜなら開封時点にてグリースが漏れていたものがあったからです。(目視にて少しの漏れが確認できれば漏れている部分を綿棒で拭き取ってもよいかもしれません。)ここでもグリースの漏れが目立つ場合のみ試験的にグリースを完全に除去してギアケース内部・ウォーム・ギアを洗浄の上、オイルをウォーム・ギアともに少量塗布しました。ただしオイルも経年劣化(変色、硬化など)を生じる恐れがあるため注意しています、なぜなら市販されているオイルの種類が(目的・用途に応じてなのか)多いからです。今のところ(2021年3月5現在)グリースを置き換えていないものもありますが、これらについては今後数ヶ月以内に先述のオイルに置き換える予定です。ただしギアケースが密閉構造ではないため、オイルの注入量が多いとギアケースからオイルが漏れる恐れがあります。(そのためにグリースを塗布したものと推測します。)

 これらの処置を行ってこのパワートラック(26P)は先ほどのコースを11秒かけて走行しました。また一層滑らかで(前進時と後進時で時間差がほとんどない)安定な走行を筆者のレイアウトにて行いました。これなら1両に2台搭載しても大丈夫かもしれませんが、念のため試験用車両に1台取り付けて走行試験を月に1度行ってきました。当初は数分程度の走行に留めていましたが、10分から15分程度の連続走行も試しました。ここでもパワートラック自体は熱を持ちませんでした。(詳細は省きますが試験用車両に搭載するウェイトの重量を変えてみたりしました。)先ほどのコースの所要時間についてその他の状況を表にして次に示します。なお加えた電圧は8V、所要時間は3周走らせた時の2周目のもので、コアレスパワートラックは1両にのみ1台または2台搭載しました。

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事例1 : KATO近鉄21000系電車(コアレスパワートラック2台使用)
事例2 : カツミチャレンジシリーズステンレス電車 (コアレスパワートラック2台使用)
事例3 : TOMIX 223系2000番台電車[注1](コアレスパワートラック1台使用)
事例4 : MAXモデル NDC-91フリー用電車(単行、コアレスパワートラック1台使用)

  

 事例1と2に関しては昨年から数値が変わっています。理由は事例1では2台のモーターが同調していなかったため1台を交換して両方のモーターが同調できるようになったからです。これによって走行も以前より安定しています。(編成時所要時間とM車単独時所要時間に注目してくだされば幸いに存じます。)捻出したモーターは先ほどの処置を行い予備パーツ化しています。事例2では金属製車体のため前回からウェイトの重量・配置を変更して最適な走行条件を探りたかったからです。どちらもスローでの走行ができるようになりました。

 順番が前後しますが、今回のパワートラックを分解する前に簡単に点検できることとして車輪のレールに接触する面が白く(酸化被膜が形成されているため?)なっていないかを見ることです。(筆者の場合購入時点ですでにうっすらと白くなっているものもありました。)もし白くなっていれば(鉄道模型用の)クリーナーと布(あるいは綿棒)で白くなっている部分を拭き取るだけでも走行が改善されるようになるものと思われます。

 31Pに関してはもともと搭載されていた動力が数分の走行後に発熱したため、ヘッド・テールライト・室内灯をLEDライトに交換した上で動力をコアレスパワートラック31Pに交換したところ、先ほどのコースを編成にて14-15秒、M車単独でも10-11秒にて走行できるようになりました。ここでも加える電圧を8Vとして他のモーター付き車両との比較を容易にしました。ただし3両編成(重量790g)のため当面は31Pを1台のみ搭載してウェイト搭載量・耐久性・走行性能の実験を行う予定です。[注2](もちろん背景にはステンレス電車での走行結果がありますので、車輪径は異なりますがそれを踏まえた形になっています。)

 

注1:購入時での状態では4両編成:20秒 M車(CN-16+フライホイール):19秒
注2:31P購入前に26Pを1台のみ搭載した状態ではM車:10.5秒 3両編成:13.5秒

 

 今回はかなり長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございます。心から感謝します。(P. S. も長くなってしまいました。)

 

 P. S. 今回の内容を報告するため様々なデータを集めるのに12か月(2020年2月から2021年1月まで)かかりました。あるデータを集めるために条件を設定するのが2か月を要することもあれば、コアレスパワートラック31Pの数ヶ月にわたる入手待ちもありました。それらをまとめるため時間を要したのです。万一期待に沿えない走行になったからといって決してあきらめないで下さい。(最初から消耗品として割り切るのも一つの考えとしてはアリかもしれません。「それを言い出したらある動力システムも消耗品といえるのでは?」と筆者は思っています。また或る模型店にてその動力システムについて店員の意見を偶然にも聞くことができたので、具体的な事柄は伏せますがその内容から筆者の思っていることと一部同じであると感じたものです。)できるだけのことをやってみて損はしないと思います。ただし自己責任になる点はくれぐれもご注意下さい。